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虫歯

2025.02.03

虫歯で自覚症状がある方の割合は多い?

 虫歯の症状としてどんな症状が思い浮かびますか?
 歯がしみる、痛い、変色している、穴が開いているなどが思い浮かぶと思います。
 当院にも自覚症状があって来られる方は多いのですが、虫歯の自覚症状がある方の割合のほうがはるかに少ないってことをご存知でしょうか?
 
 定期検診希望で来られた方の中でも、レントゲンで検査すると症状がない歯で異常が見つかることも少なくありません。 
 統計によると虫歯で症状がある方の割合は26%といわれているようです。ということは4人いたら3人は自覚症状のない虫歯があるということです。 
 自覚症状がある場合は患者さんにも説明しやすいのですが、自覚症状がない方の場合、分かりやすくレントゲンと口の中の写真を撮ってお見せしますが、それでも見えにくい部分は説明がなかなか難しいです。
  治療の際には写真で記録して、このくらいの大きさの虫歯でしたという説明もするのですが、その時にやっと虫歯であるということをご理解いただくということもあります。
 
 虫歯には進行度でC0C1C2C3C4という分類があります。
 表層の変色で実質欠損がない場合はC0となり、エナメル質内だけの場合はC1となります。部位にもよりますが、これらは体内で一番硬いエナメル質という歯の鎧の部分での虫歯になるため、当院では基本的には削って治療しません。削ることによるデメリットと治療するメリットを考えてメリットが少ないと思うからです。
 
 問題はC2以上の虫歯になります。C2は歯の鎧のエナメル質を貫通して、内部の柔らかい象牙質に到達した虫歯です。C1と違って、進行スピードも速くなり、こちらは神経に近い虫歯になる前に治療をすべき虫歯になります。
 神経に近い場合は自覚症状があることが多いですが、神経との距離が遠い場所ではかなり大きくても症状がない場合が多いです。C1C2かの境界で診断が難しい場合は、ひとまず定期健診で経過観察するということもありますが、明らかにC2の根拠がある場合のみ治療の説明をしています。
 
 C3は神経に到達した虫歯でこの場合は初期は激痛を伴うことが多く、この段階で歯科受診される方が多いような印象ですが、ここまで進行した虫歯は神経を取り除く必要があり、神経のある歯に比べて歯が割れる、根の先で膿んでしまうなどのトラブルが出やすくなり、歯の寿命は縮んでしまいます。
 
 C4は崩壊して根っこだけになった歯であるため、基本的には保存が難しい状態になります。
 
 C1での治療は逆に歯の寿命が縮むことになりかねないので削るべきではないことが多いですが、C2に移行した虫歯は早期治療して、C3やC4の状態に移行させないように治療するのが良いと思われます。
 
 これは体感になりますが、視診で判別できる割合は6、7割くらいです。レントゲンを撮ると8割くらいという印象です。見落とす虫歯も中にはあると思います。その場合は定期健診で経過を見ていく中で、見落とした虫歯も早期に治療できる可能性があるので、大きな虫歯になる前に対処できるように定期健診は大切です。

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